2011年02月05日

エクスペリメント/THE EXPERIMENT

 エイドリアン・ブロディとフォレスト・ウィテカー共演!、ということでの期待。
 内容はドイツ映画『es [エス]』のハリウッドリメイクだということなので・・・中身にはそんなに期待していない(もうネタ知ってるから)。 そして1971年の『スタンフォード大学心理実験』としてすでに大筋は有名だから。
 なので、期待するポイントはいかにディテールを掘り下げるかと、俳優陣の演技力合戦なのであります。
 いきなりリストラにあったトラヴィス(エイドリアン・ブロディ)は平和デモで出会った女性と仲良くなり、彼女がインドに旅立つ予定と知ってなにもかも捨てて自分も行きたくなる。 しかし費用が足りない・・・新聞に出ていた「報酬一日1,000ドルで14日間」という高額報酬のアルバイトに応募することに。
 心理テストと面接を経て、採用になったトラヴィスは面接の時に知り合ったバリス(フォレスト・ウィテカー)も採用になったことを知り、再会をよろこぶ。

  エクスペリメント2.jpg 最初の印象はよかったのにね・・・。
 しかし始まった“アルバイト”は、24人の被験者が囚人役と看守役にわかれて刑務所の環境下でそれぞれの役割を演じるというものだった。
 トラヴィスは囚人役に、バリスは看守役に。 それから、驚愕と恐怖の日々が始まる。
 メイン二人だけでなく、結構演技派が揃ってます。 あのクリフトン・コリンズJrが囚人役側のカギを握る人物としておいしいところをもっていく(個人的にはもう少し出番が多くてもよかったのにと思う)。 美形っぽいのに嗜虐的なナチ将校に自分をなぞらえているような男、どこかで見たことがあると思ったら・・・『バーレスク』のバーテンか! あのときの人のよさ丸出し感はまったく見られず、頭を椅子で殴りたいぐらいのいやな奴だった。
 ルールというものに縛られ過ぎると人はここまでおかしくなる、という簡単な見本ではあるけど、看守側には「それをやったら赤ランプ」というある意味の監視と同時に免罪符があったことが暴走に駆り立てられたいちばんの要因であったように思われる(勿論、サディスティックな思考の持ち主とか抑圧されている人物を看守役に配した実験主催者側の意図が裏目に出過ぎたということもあり)。

  エクスペリメント4.jpg 元は普通の人たちなのに、なんでこんな展開になるんですかね。
 しかし結論から言うと、「『es [エス]』のほうがヤバかったな〜」。
 多分『es [エス]』からインスパイアされたとも思われる『セッション9』のほうがむしろ怖かったですよ。 なんですか、この手ぬるさは(『es [エス]』と『セッション9』を見ていない方なら十分怖いとも思われますが・・・)。 もっと白熱した演技合戦、期待したのに・・・。
 しかし実際の刑務所で噂に聞く(ドラマや映画に出てくる)リンチとか、やけに下ネタ関係が多いのは(トイレとかそういうの)刑務所には必要最小限のものしかないからなんだなー、と納得できました。 ある意味小学生のいじめに通じるものがあるかもしれん。

  エクスペリメント3.jpg 「暴力」よりも、人を支配するのに必要なのは「屈辱感」? でもあたしは逆に反骨精神に火がつくと思う。
 いや、きっとそれに挫けてしまう人もいるだろうが、そうじゃない人も必ずいる。
 そもそも誰かを「支配」しようという考え方自体が間違いなのだ・・・ということでしょう、この実験から得られた教訓は。 40年前に実際に行われて大失敗に終わった実験なのに、現在でもそれが全然活かされてない・・・ということに哀しくなる。
 ほんとに、ヒトはサル以上の存在なのでしょうか?
 終盤はさすがに盛り上がりますが、「あ、このアングル『es [エス]』にもあったなぁ」とか思っちゃいました、すみません!
 実験の背景や被験者たちの事情の説明を最小限もしくは一切説明せず、としたのはいい方向に働いている部分もあるし、そうじゃない部分もあったかなぁ。 フォレスト・ウィテカーには『ラスト・キング・オブ・スコットランド』とかでどこか“狂気”のイメージがついているのだから、前半にバリスのいい人っぽいところをもっと描写していればより落差が生きたと思うんだけど。
 まぁでも退屈はしなかったので、よしとするかな〜。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする