2011年01月29日

プチ・ニコラ/LE PETIT NICOLAS

 フランスで昔から親しまれている絵本の初の実写映画化だそうで・・・確かに、時代がわからない。 小学生ニコラを中心としたハートフルどたばたコメディ、という感じか?(毒のない『クレヨンしんちゃん』+『ちびまるこちゃん』かなぁ)

  プチ・ニコラ2.jpg とびきりしあわせになれる

 子供たちがいっぱい出てくるので「区別つくかなぁ?」と最初ハラハラしたけれど、フランスの小学生って自分の色のニットベストを着てジャケットを羽織るのが決まりなのかなぁ? やたらかわいいし(また服の仕立てが大変よさそうである)、ニコラの友人たちもキャラがたっておりそれぞれベストの色が違うので見間違うことはなかった(むしろ大人のほうが存在感薄かったかも・・・)。
 子供同士でちょっかい出すのも昨今の“いじめ”とはかなり趣を異にしており、これくらいならいいんじゃないのかなぁ、男の子ばっかりだからむしろこれくらいは仕方なかろう、という感じ(いざとなればみんなで一丸となって協力し合うしね!、とんちんかんな方向に)。 生徒全員が笑いのネタにしながらも恐れを抱く教師の存在というものも今となっては懐かしいかも・・・今の学校でもいるのだろうか、そういう存在。

  プチニコラ1.jpg 男の子って、アホだなぁ。

 まぁそれも、全員が男子だから、であろう(私立の男子校なのか、それとも当時はフランスも「男女七歳にして席を同じゅうせず」だったのか)。
 ただ、かわいいんだけど・・・エピソードとそのリアクションに時代を感じてしまい、「あぁ、昔の話なんだな〜」と思ってしまう。 女性の“家庭におさまっていなきゃいけない度”がかなり高いので(『しあわせの雨傘』以上)舞台は50・60年代ぐらいなのかな(しかしこういう時代、ほんとに服の仕立てがいいよなぁ)。
 けれど、「弟妹が生まれたら僕はもうかわいがってもらえないのか? または捨てられてしまうのか?」という子供の恐怖心というものはいつの時代でも変わらないのだなぁ、と思ったり。
 それにしてもニコラ役のマキシム・ゴダールくん、誰かに似ているような気がするんだけど思い出せない・・・。 しかしきっと彼もそのうち他の映画でばんばん見るようになるんだろうなぁ。 なんか「演技したい!」意欲がスクリーンから半端なく出ている。
 成長してもいい俳優であり続けてほしいよ。

  プチ・ニコラ3.jpg ニコラとその仲間たち。

 ただ、むしろこの映画、“冬休み子供&家族向け”にシネコンなどで公開したほうが戦略的にはずっとよかったような・・・子供たちはすごく楽しむと思うんだけど。
 ハリウッド映画とも違う、フランス映画独特のエスプリみたいなものを子供の頃から感じられるのはそれはすごく貴重な体験でもあると思うのだけれども。 それが、単館系大人向けレイトショー公開とは・・・(その後、時間が変更して昼間とかになってましたが、そもそもミニシアター扱いなのがね)。

 TOHOシネマズが値下げを発表してみたり、それが騒ぎになれば「あくまでこの先試験的に導入してみるだけ」にトーンダウンするし、まったく日本の映画業界は何がしたいのかわからない。 「日本の映画鑑賞料金が高い!」って話はあたしが子供の頃から出てるんですけどね(その融和策としてファーストデイ・レディースデイ・レイトショー割引などができたと聞いたことがある)。
 配給会社や制作会社の問題なのだろうが(TOHOシネマズは配給・制作会社でもある東宝ともつながりがあるからこの場合面倒なのだが、そういうバックのない普通の個々の映画館は規模が小さければ小さいほど頑張っている!)、「海外で賞をとって話題になった作品も今は客が集まらない」とか言ってるみたいだけど、じゃあキミらはそれに足る宣伝をしているのか?
 妙な邦題つけたり、公開前に配布するチラシに物語の根幹にかかわるネタバレをサラッと書いてしまっていたり、話わからせ過ぎな予告編つくったり、観客に見る気をなくさせているのは誰なの?
 それとも観客の読解力はそこまで落ちていると思ってるわけ?
 低いレベルに合わせていたら(そして想定される「低いレベル」とは実際とは微妙にずれているのだが)失敗するということを一連のゆとり教育の失敗から学ばないのか! 教育の話だから関係ないとか思うな、あらゆる現場から学ぶのが本物のビジネスマンだ。
 映画は娯楽で文化だが、それを生き残らせるのはビジネスなのだ。
 ニセビジネスマンがはびこりすぎなんじゃないのか。
 今は懸命に映画館に足を運んでいるあたしだが、映画業界がこのままではいつか完全WOWOW移行してしまうかもしれない(日本未公開作品も放送してくれるしね)。
 あたしはシネフィルじゃないし、マニアでもないただの“映画好き”。
 ストーリー重視、出演者重視、ときどき監督重視。 そんな普通の感覚の持ち主を各層に増やしていかないと、ほんとに映画業界はさらに衰退するぞ。
 3Dは“救いの神”なんかじゃないからな、むしろ“地獄からの使者”かもしれん。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする