2011年01月31日

観終わったドラマ、いくつか

 やっと、『龍馬伝』、見終わる・・・。
 全話見たはずなんですが・・・『新選組!』のときのように胸に迫るものがないのは何故? 個々のエピソードに時折光るものはあったけれども、長い物語としてはこま切れ感があったのが入り込めなかった理由か・・・それともあたしのほうに入り込むだけの余裕がなかったということなのか。
 でも、龍馬のやりたかったことは、民主主義だったのね・・・というのは、感慨。
 それにしても「龍馬暗殺犯=今井信郎説」は否定されたと思っていたけど、それを採用するんですね・・・最終回だけの登場のくせに亀治郎、目立ちすぎ!
 そして話題になった選挙速報テロップ・・・確かに、台無しです。 NHKのお役所仕事振りというか、各部署で連携取れてない(というか自分たちの範囲の仕事以外は関係ないと思ってる)ってことがまるわかり。 だから歴史関連のドキュメンタリーやっても番組によって主張がばらばらなのね。
 龍馬暗殺の際の着物への血の染み方とかリアルでよかったですけどね、テロップでやはり台無しですね。 しかし龍馬が主役だと添え物的に描かれる中岡慎太郎、今回は上川隆也がやると聞いてすごく期待していたのだが・・・やっぱり添え物的扱いは免れないのか(それでも他のに比べたらましなほうですが)。 そもそも上川隆也はかつて別のドラマで龍馬の役をやったはず・・・NHKは福山雅治をそういう形でも完全サポートしたわけで、演技派に囲まれて福山雅治が役者として急成長したのも見ててわかりましたからね。 収穫でした(きっと今『ガリレオ』を見たら福山に違和感を覚えるであろう。 そしてもしこの先新作を撮るのなら、きっとまた違う湯川先生になっていることだろう)。 それはやはり「一年通して同じ役を演じる」という体験でしか得られないものでもあるだろうし。
 だけど、陰の主役ともいえる岩崎弥太郎(香川照之)の死にざまをあんな風に描いちゃうのもどうなの?って感じというか、時間足りないから強引にまとめました感がなくもない・・・。

 久し振りに土ワイ、『殺人予告』。
 椎名桔平が主役だからということもあるけれど、地味おじさんキャスティングにまたも惹かれました。 松重さんまた悪い感じ〜! 金田明夫さん、ちょっといい感じ〜!、とか。
 そして『ゲゲゲの女房』を見ていて、「いまいち無名な人が朝ドラから必ず誰かブレイクするが、今回はこの人では」と思っていた水木しげるの編集者役だった眞島秀和が、その後続々ドラマに出てくれているのでうれしかったのです。 今回、準主役だし!

   左の人。
 大手新聞社にある微妙な社員の吹き溜まり“特命班”ってのが『相棒』チックで笑えますが、大きな組織ではどこでもそんなもんなんでしょう。
 いい人そうに見える伊武雅刀が、実は裏で何かしてたらどうしよう・・・ということにすごく勝手にハラハラしちゃいました。 タイトルと内容が微妙にマッチしてない感はあるものの、安っぽくない二時間ドラマでよかったです。

 そしてやっと観終わった海外ドラマ2つ。
  ダーティーセクシーマネー.jpg 『ダーティーセクシーマネー』シーズン2。
 アメリカにおける大財閥ダーリング一族をめぐる物語ですが・・・歴史が短い国だから一代・二代が限界なんですよね。 そしてありすぎるお金の使い方がわからないバカな子供たち(といってももう成人だが)とか、セレブの底の浅さとか、でもそんな世界に巻き込まれてしまった一般人はそんな彼らを批判しながらも感覚が次第に狂っていく・・・というある意味『ダラス』的な話で、あたしの好きなピーター・クラウス氏が主役だしドナルド・サザーランドは出てるわ、製作総指揮はブライアン・シンガーだしで結構面白かったのですが、本国では視聴率がとれず打ち切りになった模様・・・すごい謎があることが判明したところで終わったのに!
 アメリカのドラマは質が高いが・・・見切りをつけられると早いというか、見ている視聴者への責任とかまったくないのがなんとも。 視聴率がよくても製作費がかかり過ぎという理由で打ち切られたりもするから、なんだかなぁ。

  ヴェロニカマース3−2.jpg 『ヴェロニカ・マーズ』シーズン3。
 父親が保安官をやめて私立探偵に。 それを横で見て育った娘のヴェロニカもまた探偵を志す。 “高校生探偵・事件を解決!”が売りだったこのドラマ。
 こういう若手メインの作品は引き際が大事だが(キャストの実年齢が役柄を軽々超えちゃうからね、そして『ビバリーヒルズ青春白書』のようにぐだぐだにならないためにも)、これは高校から大学へと役柄も順調に年を重ねていたのだが・・・セレブが住むけど郊外の街でそこまで立て続けに事件が起きるのもさすがに無理がある感もあって、シーズン3ぐらいで終わっておくのは賢明だと思うのだが・・・だからって、あの放りっぱなしのラストはなんだ!
 一応シーズン4つくるの前提だったんだろうか・・・。
 そして「マッチボックス20が復活するってほんとかな!」、「え、ロブ・トーマスはタラシだぜ」という登場人物の会話に脱力・・・(その時点で2007年、確かそのあたりでマッチボックス20は新曲を含むベスト盤を出している)。
 このドラマの製作総指揮とマッチボックス20のヴォーカルのロブ・トーマスは別人なのか同一人物なのか、どっち!?

  ヘイヴン.png 『ヘイヴン〜謎の潜む町〜』。
 スティーヴン・キングの『コロラド・キッド』のドラマ化。 キング作品は強引に縮めて映画にするくらいならミニシリーズか連ドラにしたほうが確かに相性はいいと思うのだが、文章で読む分には問題ない個所も映像にするといきなり安っぽくなってしまうという弊害が・・・。
 ま、でも特に期待しないで見始めたせいか、そこそこ面白かったです(基本一話完結なので回に当たり外れはあるが)。 制作者は『デッド・ゾーン』と同じ人なのかな? キング作品の料理の仕方を心得た感がある。
 大きな謎は解明されないままなので、シーズン2あるのかな〜。

ラベル:ドラマ
posted by かしこん at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月30日

終わるマンガ、まだまだ続くマンガ

 今更ですが・・・『のだめ』、終わったんですよねぇ。
 本編もあっさり終わり、番外編としてもう少し続くのかと思ったらこっちもさらっと終わってしまった。 「えっ!、もう?」、でした。

  のだめ25.jpg 一応、恋愛方向に答えは出たから、ということか。
 しかし、芸術や修行に終わりはない。 マンガという形ではもう千秋先輩やのだめやその他メンバーズには会えないけれど、彼らはずーっとこれからも音楽と格闘し続けていくんだろう。 それがわかっているから、最終巻でも不思議と寂しさはないのだった。

  毎日かあさん07.jpg チベット行ったんですね。
 しかし『毎日かあさん』は子供が成長してきちゃってるから、微妙になってきたな・・・一応プライバシーがかかわってくるからなのか詳細が伏せられていることが以前よりも多くなった(しかしサイバラ作品にプライバシーもへったくれもないと思うのだが)。 外国旅行バージョンもいまひとつだったかな。 普通の家庭ならこんなに頻繁に小さいころから外国に行けないし、“子育てする人ならほとんどが感じる悲喜こもごも”から“特異な家の特異な人たち”ってスタンスに変わっていっていると思う。 まぁ、西原理恵子ファンにはそれでもいいんでしょうけどね。

  ライアンの娘.jpg 『ライアンの娘』/坂田靖子
 え、新刊?、と思ったら、以前雑誌に連載されていたものだけど単行本になってなかったやつだそうで、復刊ドットコムにより初単行本化。 それはうれしいですが、¥1,000−って・・・。
 内容は明るいドタバタ系で、ちょっとずれてるけど自分は常識的と思っている少女がより変な大人に振り回される系統。 たとえば、『叔父様は死の迷惑』とかを思い出す感じといえばいいのか。 でもサカタまんがとしては、振り回されるのは男の人のほうがあたしは好きかも・・・『ビギン・ザ・ビギン』シリーズ、また読みたくなっちゃった。

  柳沢教授30.jpg 『天才柳沢教授の生活』30巻/山下和美
 どうしたのだろう、最近『教授』の新刊にはやたら泣かされる。
 今回も、泣かされてしまった。 しかし人情もの話が揃ったから、というわけでもなく(いや、そういう話が多かったけど)。
 「変わっていないつもりでも、自分もまた少しずつ変わっていく。 そういう自分も新鮮で面白いと受け止める」、という柳沢教授の姿勢のせいなんでしょうか。

 そして『悪魔の花嫁−最終章』の第3巻も出ましたが・・・うーん、どうしたいのかなぁというか・・・デイモスとヴィーナスが呪われた姿になった具体的エピソードも出てきますが、なんか、軽い。 というか以前と比べたらゼウスもヘラも絵が別人なんですが。 そして3巻目になっても美奈子が出てくることに意義が感じられないのですが・・・。
 最終章をどういう方向で締めくくりたいのかいまいち読めません。
 まるでデイモスとヴィーナスの心の散文詩のような。

  エロイカ37.jpg 『エロイカより愛をこめて』37巻/青池保子
 これが出たのは年末ですが、ストーリー的にまだ続きがあるので取り上げるきっかけを逸してました。
 とはいえ、こんな笑顔で歩いてくる少佐の姿を見たら、なんか癒されます。

ラベル:新刊 マンガ
posted by かしこん at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月29日

プチ・ニコラ/LE PETIT NICOLAS

 フランスで昔から親しまれている絵本の初の実写映画化だそうで・・・確かに、時代がわからない。 小学生ニコラを中心としたハートフルどたばたコメディ、という感じか?(毒のない『クレヨンしんちゃん』+『ちびまるこちゃん』かなぁ)

  プチ・ニコラ2.jpg とびきりしあわせになれる

 子供たちがいっぱい出てくるので「区別つくかなぁ?」と最初ハラハラしたけれど、フランスの小学生って自分の色のニットベストを着てジャケットを羽織るのが決まりなのかなぁ? やたらかわいいし(また服の仕立てが大変よさそうである)、ニコラの友人たちもキャラがたっておりそれぞれベストの色が違うので見間違うことはなかった(むしろ大人のほうが存在感薄かったかも・・・)。
 子供同士でちょっかい出すのも昨今の“いじめ”とはかなり趣を異にしており、これくらいならいいんじゃないのかなぁ、男の子ばっかりだからむしろこれくらいは仕方なかろう、という感じ(いざとなればみんなで一丸となって協力し合うしね!、とんちんかんな方向に)。 生徒全員が笑いのネタにしながらも恐れを抱く教師の存在というものも今となっては懐かしいかも・・・今の学校でもいるのだろうか、そういう存在。

  プチニコラ1.jpg 男の子って、アホだなぁ。

 まぁそれも、全員が男子だから、であろう(私立の男子校なのか、それとも当時はフランスも「男女七歳にして席を同じゅうせず」だったのか)。
 ただ、かわいいんだけど・・・エピソードとそのリアクションに時代を感じてしまい、「あぁ、昔の話なんだな〜」と思ってしまう。 女性の“家庭におさまっていなきゃいけない度”がかなり高いので(『しあわせの雨傘』以上)舞台は50・60年代ぐらいなのかな(しかしこういう時代、ほんとに服の仕立てがいいよなぁ)。
 けれど、「弟妹が生まれたら僕はもうかわいがってもらえないのか? または捨てられてしまうのか?」という子供の恐怖心というものはいつの時代でも変わらないのだなぁ、と思ったり。
 それにしてもニコラ役のマキシム・ゴダールくん、誰かに似ているような気がするんだけど思い出せない・・・。 しかしきっと彼もそのうち他の映画でばんばん見るようになるんだろうなぁ。 なんか「演技したい!」意欲がスクリーンから半端なく出ている。
 成長してもいい俳優であり続けてほしいよ。

  プチ・ニコラ3.jpg ニコラとその仲間たち。

 ただ、むしろこの映画、“冬休み子供&家族向け”にシネコンなどで公開したほうが戦略的にはずっとよかったような・・・子供たちはすごく楽しむと思うんだけど。
 ハリウッド映画とも違う、フランス映画独特のエスプリみたいなものを子供の頃から感じられるのはそれはすごく貴重な体験でもあると思うのだけれども。 それが、単館系大人向けレイトショー公開とは・・・(その後、時間が変更して昼間とかになってましたが、そもそもミニシアター扱いなのがね)。

 TOHOシネマズが値下げを発表してみたり、それが騒ぎになれば「あくまでこの先試験的に導入してみるだけ」にトーンダウンするし、まったく日本の映画業界は何がしたいのかわからない。 「日本の映画鑑賞料金が高い!」って話はあたしが子供の頃から出てるんですけどね(その融和策としてファーストデイ・レディースデイ・レイトショー割引などができたと聞いたことがある)。
 配給会社や制作会社の問題なのだろうが(TOHOシネマズは配給・制作会社でもある東宝ともつながりがあるからこの場合面倒なのだが、そういうバックのない普通の個々の映画館は規模が小さければ小さいほど頑張っている!)、「海外で賞をとって話題になった作品も今は客が集まらない」とか言ってるみたいだけど、じゃあキミらはそれに足る宣伝をしているのか?
 妙な邦題つけたり、公開前に配布するチラシに物語の根幹にかかわるネタバレをサラッと書いてしまっていたり、話わからせ過ぎな予告編つくったり、観客に見る気をなくさせているのは誰なの?
 それとも観客の読解力はそこまで落ちていると思ってるわけ?
 低いレベルに合わせていたら(そして想定される「低いレベル」とは実際とは微妙にずれているのだが)失敗するということを一連のゆとり教育の失敗から学ばないのか! 教育の話だから関係ないとか思うな、あらゆる現場から学ぶのが本物のビジネスマンだ。
 映画は娯楽で文化だが、それを生き残らせるのはビジネスなのだ。
 ニセビジネスマンがはびこりすぎなんじゃないのか。
 今は懸命に映画館に足を運んでいるあたしだが、映画業界がこのままではいつか完全WOWOW移行してしまうかもしれない(日本未公開作品も放送してくれるしね)。
 あたしはシネフィルじゃないし、マニアでもないただの“映画好き”。
 ストーリー重視、出演者重視、ときどき監督重視。 そんな普通の感覚の持ち主を各層に増やしていかないと、ほんとに映画業界はさらに衰退するぞ。
 3Dは“救いの神”なんかじゃないからな、むしろ“地獄からの使者”かもしれん。

ラベル:映画館 外国映画
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2011年01月28日

朝のひととき、奇妙な出会い

 朝の空気が冷たいので、つい早足で駆け抜ける通勤経路。
 しかし、何か違和感が・・・。
 歩調を緩めて横を見るが、正体は見つからず。 でも視線を前に向けるとまた何かを感じる。
 足をとめて、じーっと見る。
 すると、ネコの首がひょいと持ち上がってきた!
 さっきから顔を出したり引っ込めたりしていたらしい・・・。
 その動きが気まぐれなので、なかなか写真に撮れず。

   首のぞかせネコ.JPG やっと、激写!

 お気づかれました?(心霊写真ではありません・・・)
 同系色だったから余計に見にくいですが、結構なスピードでひょいひょい動いていたのでその気配があたしに伝わっちゃったんですな。
 まだ若ネコのご様子で、警戒心丸出しです。 あたしも初めて会ったかも。
 うーむ、ネコのテリトリー説はいったいどのような変貌を遂げているのであろうか?
 子供の頃見た公園通りのネコたちの頃とはなんか違ってる気がするのだが・・・しかしそれも各住宅地の特性によるものなのであろうか。
 と、そんなことを考えていたら遅刻しそうになってしまったので、「じゃあね〜」と手を振って走り出してみた。
 シカトはされなかったが、奇妙なものを見るような目で見送られた・・・。

posted by かしこん at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 季節のこと/街の中の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月27日

しあわせの雨傘/POTICHE

 『しあわせの雨傘』もまた、『クレアモントホテル』と同様、「基本的にいい人ばかりが出てきます」。 ひねくれ者のあたしではありますが、こういう世界結構好きなんだな〜、と思う(基本、所詮はお人好しです)。
 とはいえ、こちらはフランソワ・オゾン作品ですから一筋縄ではいかないんだけど。
 原題は直訳すれば“飾り壷”。 つまり“お飾りの妻”。
 時代はまだ1970年代。 傘工場を運営している家の創業者の娘であるスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は工場の経営を夫(ファブリス・ルキーニ)に仕切られ、子供たちは独立し、ジョギングしたり詩を詠んだりぐらいしかすることがない。 保守的な夫が家事をすることも許さないのだ(メイドがいるし、家の格が違うんだみたいな感じ)。

  しあわせの雨傘1.JPG とはいえ、ジャージ姿でもイキイキ。
 それでもそんな日々に幸せを見いだしていたスザンヌだが、娘から「お母さんみたいなお飾りの妻にはなりたくない」と言われショックを受ける。
 そんな折り、工場の労働者たちは待遇改善を叫んでストライキに入り、社長である夫は大激怒。 「労働者が権利を主張するなどけしからん!」というわけである。 が、心臓発作で夫は倒れ、旧知の人物である市長(ジェラール・ドパルデュー)に仲介を頼んでスザンヌが団体交渉の席に着くことに・・・それから始まる、長年お嬢様の地位にいた女性なりの解決策と新たなる自己実現の物語。
 でも傘工場再建のサクセスストーリーを期待しちゃうと、その過程はあっさり省略されてるし話は別の方向へ行っちゃうし、「あれ?」となってしまうのでご注意ください。

  しあわせの雨傘3.JPG 「この会社の最高責任者は誰なんだ!」
      「・・・今は、私よ」

 「そんなにうまくいくかよ」とか言ってしまってはいけない。 “お嬢様育ちのカトリーヌ・ドヌーヴ”を見るための映画でございます。 『隠された日記』とは全く違い、悩みやら屈折やら一切内面に持たない苦労知らずぶりを見事に見せてくれます。
 半端にお嬢様育ちをひけらかす者はお嬢様ではない、これこそ真のお嬢様!、なのは相手をやりこめて満足するのではなく、非難や逆恨みを受け流し相手がこちらに負の感情を向けてくること自体を「なかったことにしてしまう」。
 その過程が、やたらキュート(ただ『クレアモントホテル』のミセス・パルフリーよりはしたたか度はかなり上です)。
 夫の愛人がいても意に介さない、その女性が仕事上有能だと感じたら信頼を寄せる。
 本来敵と思っている妻にいつしか心酔する愛人はあっさり社長を捨てる(でも利用できるときだけ利用)。 そんな女性のしたたかさと、同じ目的を前にした共闘力のすごさとか、楽しい。 しかしスザンヌの娘だけが異分子なのがなんとも物悲しかったりする(彼女だけが口は達者なくせに夫に依存したままの自立する女性ではないから。 監督がゲイだからかオゾン作品は依存体質の女性に厳しい。 こういうとき、いろいろ叱咤激励してくれるゲイの友達がほしいなぁ、と思ってしまう)。

  しあわせの雨傘5.JPG 長男はずっと昔から母親の味方だったのに。
 この芸術肌の長男、なんとジェレミー・レニエだったのだ・・・この屈託のなさぶりどうしたんですか! 普通のハンサムじゃないですか。
 『約束の葡萄畑』とはほとんど別人だ!
 ジェラール・ドパルディーは見るたびに巨大化してる気がしますが、大丈夫ですか?
 唯一の損なキャラクターであるスザンナの夫、ファブリス・ルキーニは『親密すぎるうちあけ話』のシャイで奥手な精神科医とは同一人物とはとても思えず、目を疑いました。キュートさのかけらもなかった・・・ま、妻の本質を見抜けない段階で経営者として失格なので、ほんとに損な役だったんですね。
 「女性の社会進出」など隠しテーマもあれど、そこはあくまでスパイスとして。
 経済的にというか精神的に自立する女性、そして母性への讃歌。
 そういうのをストレートに描いてしまうオゾンは、日本のうるさい変なおばさんよりよほどちゃんとしたフェミニストだなぁ。
 しかしフランス映画、そんなところにもお得意の艶笑話を持ってこなきゃならんのか・・・というのはちょっとがっかり。 それがオゾン的毒だとしてもパンチは弱いし、結局ジャージ着ようがドレス着ようが美しいドヌーヴを映しておきたかっただけなのかな、という気もする(まぁ、それでも十分だったりするが)。
 大爆笑ということはないけど、ついくすくす・にやにやしてしまうそんな映画はやはり観終わった後の気分も軽くなる。
 すごいなぁ、ドヌーヴ!

ラベル:外国映画 映画館
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2011年01月26日

第83回アカデミー賞ノミネート決定!

 あ、ノミネートが発表されたようです。 WOWOWのスクリーミングを見ました。
 なんか今回も前評判通り・・・って感じ?

<作品賞>
『ブラック・スワン』
『ザ・ファイター』
『インセプション』
『キッズ・オールライト』
『英国王のスピーチ』
『127時間』
『ソーシャル・ネットワーク』
『トイ・ストーリー3』
『トゥルー・グリット』
『ウィンターズ・ボーン(原題)/WINTER'S BONE 』
 作品賞候補に『トイ・ストーリー3』が入ったら、長編アニメーション部門の結果はわかったも同然ではないか・・・。
 『ブラック・スワン』はダーレン・アノロフスキーだし、『127時間』はダニー・ボイル。 役者もだけど、ノミネートされる人たちって一時期偏るのは充実した仕事が続くということなのかしら。

<監督賞> 
ダーレン・アロノフスキー (『ブラック・スワン』)
デヴィッド・O・ラッセル (『ザ・ファイター』)
トム・フーパー (『英国王のスピーチ』)
デヴィッド・フィンチャー (『ソーシャル・ネットワーク』)
ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン (『トゥルー・グリット』)

<主演男優賞> 
ハビエル・バルデム (『Biutiful ビューティフル』)
ジェフ・ブリッジス (『トゥルー・グリット』)
ジェシー・アイゼンバーグ (『ソーシャル・ネットワーク』)
コリン・ファース (『英国王のスピーチ』)
ジェームズ・フランコ (『127時間』)
 ジェームズ・フランコは今回司会だそうですが・・・ノミネートされるのが前提でのキャスティング? でもきっと大本命のコリン・ファースなんだろうなぁ。 去年獲れなかったし、合わせ技で。 ジェシー・アイゼンバーグは相手が悪かったね〜。

<主演女優賞> 
アネット・ベニング (『キッズ・オールライト』)
ニコール・キッドマン (『ラビット・ホール(原題)/Rabbit Hole』)
ジェニファー・ローレンス (『ウィンターズ・ボーン(原題)/Winter’s Bone』)
ナタリー・ポートマン (『ブラック・スワン』)
ミシェル・ウィリアムズ (『ブルーバレンタイン』)
 ジェニファー・ローレンスって『あの日、欲望の大地で』であたしが激賞してしまったあの子か?! きゃー!、あたし、見る目ある!
 ここは誰が獲っても文句が出なさそう(つまり大激戦)ですが、アネット・ベニングとナタリー・ポートマンの一騎打ちになるのだろうなぁ、多分。

<助演男優賞> 
クリスチャン・ベイル (『ザ・ファイター』)
ジョン・ホークス (『ウィンターズ・ボーン(原題)/ WINTER'S BONE』)
ジェレミー・レナー (『ザ・タウン』)
マーク・ラファロ (『キッズ・オールライト』)
ジェフリー・ラッシュ (『英国王のスピーチ』)
 毎年激戦区な助演男優賞。 クリスチャン・ベイルやマーク・ラファロをそろそろ評価してあげてもいいんじゃないの〜。 しかしジェレミー・レナーも『ザ・タウン』の予告を見ただけですが『ハート・ロッカー』とは別人のようだったしなぁ。

<助演女優賞>
エイミー・アダムス (『ザ・ファイター』)
ヘレナ・ボナム=カーター (『英国王のスピーチ』)
メリッサ・レオ (『ザ・ファイター』)
ヘイリー・スタインフェルド (『トゥルー・グリット 』)
ジャッキー・ウィーヴァー (『アニマル・キンダム(原題 )/Animal Kingdom』)
 ここはあえて、メリッサ・レオをあたしは推すよ!
 『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーアは候補にならないのか・・・残念。

<長編アニメ賞> 
『ヒックとドラゴン』
『イリュージョニスト』
『トイ・ストーリー3』

<脚本賞> 
『アナザー・イヤー (原題)/ Another Year』
『ザ・ファイター』
『インセプション』
『キッズ・オールライト』
『英国王のスピーチ』
 ここは『インセプション』だろ・・・と思うけど、『英国王のスピーチ』だったりするんだろうな〜。 いかにもアカデミー会員が好きそうなネタだもん。

<脚色賞> 
『127時間』
『ソーシャル・ネットワーク』
『トイ・ストーリー3』
『トゥルー・グリット』
『ウィンターズ・ボーン(原題) / Winter’s Bone』
 ここで『ソーシャル・ネットワーク』が獲れば、作品賞一騎打ちの可能性は高まるが・・・あたしは『ウィンターズ・ボーン』がすごく気になるわ。

<視覚効果賞>
『アリス・イン・ワンダーランド』
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
『ヒア アフター』
『インセプション』
『アイアンマン2』
 ハリポタは常連ですが・・・『インセプション』は技術系の賞でおさまりそうだなぁ。

<音響編集賞> 
『インセプション』
『トイ・ストーリー3』
『トロン:レガシー』
『トゥルー・グリット』
『アンストッパブル』
 あ、『アンストッパブル』が入ってる! 確かに列車のすれ違う音・ブレーキ音など臨場感がありました。 『トロン:レガシー』はどうなのやら・・・。

<撮影賞> 
『ブラック・スワン』
『インセプション』
『英国王のスピーチ』
『ソーシャル・ネットワーク』
『トゥルー・グリット』

<美術賞> 
『アリス・イン・ワンダーランド』
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
『インセプション』
『英国王のスピーチ』
『トゥルー・グリット』

<編集賞> 
『ブラック・スワン』
『ザ・ファイター』
『英国王のスピーチ』
『127時間』
『ソーシャル・ネットワーク』

<メイクアップ賞>
『バーニーズ・バージョン(原題) / Barney's Version』
『ザ・ウェイ・バック(原題) / The Way Back』
『ウルフマン』
 アメリカのアカデミー賞がすごいところは、『ウルフマン』みたいな見たあと困ってしまうような映画でも純粋にメイクアップの面では評価する!、という徹底した細分化。 こういうところを日本アカデミー賞も見習ってほしい(例えば今年はもし『悪人』が作品賞をとったら技術関連もみな『悪人』みたく右ならえしないでほしい、ということです)。

<衣装デザイン賞> 
『アリス・イン・ワンダーランド』
『アイ・アム・ラブ(原題) / I AM LOVE』
『英国王のスピーチ』
『テンペスト(原題) / The Tempest』
『トゥルー・グリット』

<ドキュメンタリー長編賞>
『イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ(原題)/Exit through the Gift Shop』
『ガスランド(原題)/Gasland』
『インサイド・ジョブ(原題)/Inside Job』
『レストレポ 〜アフガニスタンで戦う兵士たちの記録〜』
『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』

<ドキュメンタリー短編賞> 
『キリング・イン・ザ・ネーム(原題) / Killing in the Name』
『ポスター・ガール(原題) / Poster Girl』
『ストレンジャーズ・ノー・モア(原題) / Strangers No More』
『サン・カム・アップ(原題) / Sun Come Up』
『ザ・ウォーリアーズ・オブ・キウガング(原題) / The Warriors of Qiugang』
 ドキュメンタリー賞も『ザ・コーヴ』のおかげで一気に権威を失いましたからね、今年は正しい方向に修正してくるのかどうか。

<外国語映画賞> 
『Biutiful ビューティフル』(メキシコ)
『ドッグトゥース(原題/Dogtooth』(ギリシャ)
『イン・ア・ベター・ワールド(原題)/In a Better World』(デンマーク)
『インセンディーズ(原題)/Incendies』(カナダ)
『アウトサイド・ザ・ロウ(原題)/Outside the Law(Hors-la-loi)』(アルジェリア)
 『告白』が選ばれなかったことで日本のメディアは大騒ぎですが、むしろ一次選考通って9本の中に残ったことのほうが驚きでした。
 ハビエル・バルデムが主演男優賞にノミネートされてるから『ビューティフル』優勢かと思われますが、あたしは『イン・ア・ベター・ワールド』がよさげです。

<歌曲賞>
「カミング・ホーム」 (『カントリー・ストロング(原題)/Country Strong』)
「アイ・シー・ザ・ライト」 (『塔の上のラプンツェル』)
「イフ・アイ・ライズ」 (『127時間』)
「ウィー・ビロング・トゥギャザー」 (『トイ・ストーリー3』)

<作曲賞>
『ヒックとドラゴン』
『インセプション』
『英国王のスピーチ』
『127時間』
『ソーシャル・ネットワーク』

<短編アニメ賞>
『デイ&ナイト』Teddy Newton
『ザ・グラファロ(原題) / The Gruffalo』Jakob Schuh and Max Lang
『レッツ・ポリュート(原題) / Let's Pollute』
『ザ・ロスト・シング(原題) / The Lost Thing』
『マダガスカル,カーネット・デ・ボヤージュ(原題) / Madagascar, carnet de voyage』

<短編実写賞> 
『ザ・コンフェッション(原題)/ The Confession』
『ザ・クラッシュ(原題)/ The Crush』
『ゴッド・オブ・ラブ(原題) / God of Love』
『ナ・ウィウィ(原題) / Na Wewe』
『ウィッシュ143(原題) / Wish 143』

<音響賞>
『インセプション』
『英国王のスピーチ』
『ソルト』
『ソーシャル・ネットワーク』
『トゥルー・グリット』
 わ、『ソルト』まで忘れてない。 心が広いな・・・そういう意味では。

 でも、WOWOWの中継ではなんで滝川クリステルなんだろ・・・グラミー賞もだけど、あんまり勉強してない人に言われても説得力ないし、もう、ジョン・カビラひとりでいいじゃん! もしくは今村知子さんがいいよ〜。
 ま、生中継は見るの無理だから字幕版のリピート放送を見ますがね、そうすれば滝川クリステルを見るのも最小限で済むし。
 どうかお願いだから、当日結果が出るたびにFMでリアルタイムに流さないで〜。

ラベル:アカデミー賞
posted by かしこん at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画関連情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月25日

ソーシャル・ネットワーク/THE SOCIAL NETWORK

 なにしろ見たかった作品である。 予告は去年の夏終わり頃から見ていたから(予告編の歌にやられてしまったのがいちばん大きいけど、あとからデヴィッド・フィンチャー監督作品だと知ったから)。
 フェイスブックのことはなんとなくしか知らず。 実名原則は日本にはなじまないだろうなぁ、とぼんやり思っていた程度だが、“フェイスブック”の成り立ちを描いたこの映画はフェイスブックの一方的な広告にも宣伝にはまったくなっていなかった(実際、脚本家はマーク・ザッカーバーグとの対談は断られ、映画自体もフェイスブック本社からの協力は得られなかったとのことである。 なので「実話をもとにフィクションとして構成」と断り書きが出る)。 これはすごいことだぞ!
 冒頭、若き男女のかみ合わない会話で始まる。

  ソーシャルネットワーク3.jpg やたら不穏な空気で。
 どうやら男マークはハーバード大生、女子エリカはボストン大生であるようだ。
 まさかと思うが、キミら彼氏彼女じゃないよね?、と思ってしまうほど剣呑な会話なのだが、なんと二人は付き合っていたのである!
 だがそれもこれまで、怒ったエリカは「もう別れましょう」と帰る(それで正解だ!)。
 そこまでの数分のシークエンスで、この男マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)が嫌なヤツもしくはバカということがわかり・・・弾丸トークも相まって、テンポよく一気に世界に引きずり込まれる。
 しかしやはりマークはバカなので、割り切れない気持ちをブログにぶつけ、なんと実名でエリカへの罵詈雑言をまき散らす(でもブログというよりツイッタ―並みの投稿量&速度だったけど)。 それだけでは飽き足らず、ハーバードの寮のデータベースにハッキングして学生名簿から写真データを集め、「見た目で女子どっちを選ぶか」投票サイトを親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)の手も借りて作り上げる。 女子からは非難殺到・白い目で見られる日々が待っていたが、その即席サイトにはハーバード大学のネット環境をダウンさせるほどのアクセスが集中したのだった。 それが、“フェイスブック”を生み出すきっかけとなるのだが、同時にその後の泥沼訴訟を生み出すことに。

  ソーシャルネットワーク5.jpg この数式が、すべてのはじまり。
 マークがエリカとけんか別れするのは2003年。 名門ハーバード大学とはいえ、ネチケットなってねー(いや、すべてにおいてなってないと後でわかるが・・・)。
 エリート大学の低俗化はいわゆる先進国どこも一緒のようです。
 この「エリート意識丸出し」感は、こんなやつらがのちのちアメリカ社会の支配者層になっていくなんてうんざりする、と思わせると同時に大学内のソーシャルクラブ(スカルズ&ボーン的な)がまだまだ社会的なコネを発揮している実情を表している。
 どこが“自由の国アメリカ”だろう。

  ソーシャルネットワーク1.jpg ナードでなにが悪いのか。
 それにしてもデヴィッド・フィンチャーが「いかにも普通っぽい」映画を撮るなんてね〜(勿論全然「普通」ではないのだけれど、「一見普通に見えてしまう」感じの。 センスを活かすためには多少の調和を乱してもかまわない、ぐらいのかつてのとんがったところが身を潜めているようだ。 老練な映画作家の道を彼も歩み始めているのだなぁ)。 なんかすごい時間の流れを感じるわ。
 ただ残念なのは雪の降り方と、寒い日の屋外で喋り合う二人の口元から吐き出される白い息が不自然だったこと。 ボートレースシーンでの画像加工は効果を出していたので一概にCGを責めることはしませんが、もうちょっと気を配ってほしいなぁ。 違和感あったのはそこだけです。
 時間軸は交差し、とりあえず巨大訴訟で訴えられているらしいマークの事情と訴訟中の今の様子がわかってくるにつれ・・・これはフェイスブックの物語ではなく天才的頭脳を持ちながらも社会常識のない(言いかえるなら人の気持ちを気遣わない・目的のためなら何をしてもかまわない)男の成功と挫折とはかない希望と、人生のすべてを短時間で経験してしまった男の物語なのでは、ということだった。 
 つまり、『ベンジャミン・バトン』と相互関係にあるというか・・・あっちが人生逆回しならこっちは人生早送り、みたいな。 そして天才のすることはどこまでだったら許されるのか、という問いかけでもあるような。 マークはエリカをどれだけ傷つけたのかほんとにわかっているのだろうかと感じたので、社会常識のない天才ははっきりいって近くにいたらすごく迷惑な存在だろうけど、そういう存在のおかげで何かが変わったり新しくなるわけで・・・関わり合ってしまった人々は「運が悪かった」とあきらめるしかないのか(まぁ相手にお金がある場合は賠償請求できますけど、それと精神的苦痛は引きあうのか?)。

  ソーシャルネットワーク4.jpg 左:ジャスティン・ティンバーレイク
 ナップスターの創始者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)と出会わなかったらまた変わっていたのかもしれないが・・・それにしてもこいつのおかげでCDが売れなくなったのかと思うと個人的にむかつく(CDが売れなければブックレットに金はかけられなくなる、アートワークもおざなりなものになるじゃないか!)。 彼もまた「大人になりきれてない大人」。
 ジャスティン・ティンバーレイクはこの演技が高く評価されてるらしいですが、「え?、地じゃないの?」と思ったよ。 だったらエドゥアルド役のアンドリュー・ガーフィールドのほうがずっとよかった。 プライドを傷つけられたことよりも、親友と思っている相手に裏切られたと知ったときのほうが傷ついている、という目!
 男同士は自分の気持ちや何を考えてるかをはっきり言葉にしないから誤解が誤解を生むんだよなぁ・・・、と、憐れさがこみあげる。
 すっかりナード代表のようなジェシー・アイゼンバーグはあれだけ喋りまくっているのに心の中が全然見えない、ラストシーンになってやっとわずかに気持ちが垣間見える謎の人物そのままで、今までもオタク系の役多かっただけに今後の彼のキャリアが心配になる(これを超える役に出会えるだろうか)。 それくらい、熱演だったしはまっていたということです。

  ソーシャルネットワーク2.jpg 親友だったのにね。  
 そして、ソーシャル・ネットワークで何人の友だち&知り合いができようが、それは“現実の世界とはまったく違うもの”だという痛烈な皮肉のようなものを感じたのはあたしだけかしら(それは同時に「映画見て世界を知った気になるな」という自分への戒めでもあるのだが)。
 これもまた、“青春の痛みと喪失”なのですね。

  ソーシャルネットワーク6.jpg 失ったものと引き換えに得たものは・・・わずかな成長?
 テンポよすぎの台詞と同様(字幕の人、すごく大変だっただろうなぁ)、「えっ、もう!?」という勢いで映画は終わる。
 だれる隙なし。 これだけ内容詰まってて、上映時間が2時間切ってるなんて!
 あたしは幸運にも『エイリアン3』から彼の映画はすべて劇場で見てきましたが、同時代の映画監督が巨匠に近づいていく過程を見ていけるってそれもまた幸運なことかもしれない、と思う。
 アカデミー賞・・・どうかなぁ。 他に候補に挙がりそうな作品多分見れてないから比較できないんですけど、これが作品賞をとったらとったでアカデミー協会は少し保守色が弱まるかも。 ま、賞レース関係なく、面白かったです!
 『ミレニアム』のリメイクは大丈夫か、デヴィッド・フィンチャー!

ラベル:映画館 外国映画
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2011年01月24日

2010年地上波春ドラマ開始!

 どうも10月〜3月は『相棒』が続くので、改編期だということを忘れがち。 
 しかも12月終了のドラマってわりと早く終わるじゃない? 年末年始で録りまとめたのを見るけど、駆け足なので印象がごっちゃです。
 まぁその中でもよかったのは、『モリのアサガオ』・『SPEC』・『秘密』ですかね(実はまだ『秘密』は途中までなんだけど・・・そして『ゲゲゲの女房』も最終週だけ、『龍馬伝』も残り4回くらい見ていない・・・あ、『セカンドバージン』全話録画したけど一回も見てないわ、見たらはまると評判ですが)。
 で、1月からのドラマですが・・・最初からある程度録画しちゃうから、見る暇なくHDDを圧迫するのだということに今頃気づき、とりあえず一週目を見て今後を判断しようと決める!(決めるの遅い・・・)

『最上の命医』
 小児外科もの。 医療ドラマはキライじゃないが、ちょっと乱立しすぎでは。 
 オペ最中の「そんな方法見たことない!」という見学している医師の叫びに「え、他のドラマで見たけどな」と冷め、「結局、医療をビジネスととらえるかそうでない理想主義者の対立っぽい感じになりそうだなぁ」、と脱落。
 陣内孝則の役は裏がありそうでそこは気になるんだけどね〜。

『CONTROL 犯罪心理捜査』
 これって、『ライ・トゥー・ミー』+『メンタリスト』の『ガリレオ』風味?
 うーん、刑事ドラマは『相棒』との差別化に精一杯で、プロファイリング系に走ってますなぁ。 『メンタリスト』のほうが面白かったわ、ということで、脱落。

『美しい隣人』
 なんだかんだでこれがいちばん楽しみかも〜。 美女二人を見るのは目の保養です、渡部篤郎が老けこんでいて悲しくなるが。 しかし壇れいが演じる主人公、人として問題ありに見えるのでもしも今後ひどい目にあってもあまり同情できないかも・・・という自分の中の心の闇も感じさせてくれるので(まだ事情はわかりませんが、なんかマイヤーさん(仲間由紀恵)側を応援してしまいそう)、最後まで見ます。

『ホンボシ〜心理特捜事件簿〜』
 船越栄一郎が元心療内科医って・・・無理あるなぁ(でも実は警察官でもあったりする)。 あなたまでプロファイリングですか。 相手を知るための微妙な図々しさはちょっと古畑入ってますが、あそこまでチャーミングになってないのが残念です(まぁそこが田村正和とのキャラの違いなのでしょうが)。

  ホンボシ1−1.jpg ヤスケンさん、頬こけてますよ。
 とりあえず一回目はヤスケンさんがゲストなので見ましたが・・・これも『ライ・トゥ・ミー』系なんだけど脚本はなんとなくジェフリー・ディーヴァーのキャスリン・ダンスシリーズに影響を受けている気がする。 なのでちょっと2回目も見てみるか〜。

『告発〜国選弁護人』
 田村正和&硬派なつくりで期待がありましたが、あまりにナレーションで説明しすぎではないか? 初回だから設定を説明しとかないといけないからかなぁ、と2話目以降を希望をつなぎますが。

  告発1−1.jpg わ〜、芳正っちだ〜。
 しかし共演者も豪華よねぇ、としみじみする。 脚本は王道だけれど、古臭いで終わらないように期待したい。

『外交官・黒田康作』
 初回二時間かよ!、ということでまだ見れてませんが・・・中井貴一と福山雅治は出るのでしょうか? イ・ビョンホンはどうでもいいです。 いったい黒田さんは世界何カ国語を話せるのか?、というのが実はすごく気になります。

『悪党〜重犯罪捜査班』
 これは・・・『ザ・シールド ルール無用の警官バッジ』ですか?、と思ったけどやはり日本人、そこまでドライになれないというか根底には人情が流れちゃってますね。
 しかもキャストが渋いので見てしまいそう。
 平山くん、また刑事かい・・・(でも髪パーマかけたらちょっと若くなったよ〜)。
 こんなに軽薄喋りする鈴木浩介、他で見れないし〜。

『LADY〜最後の犯罪プロファイル〜』
 これは明らかに『クリミナル・マインド』よねぇ。 本家と違ってこっちはメインが若いから、事件や犯人に対する興味が先走り過ぎて被害者側への思いやりがあまり見えてこないのがイタい。 中間管理職的な苦悩のユースケ・サンタマリアに希望をつないで、もうちょっと様子を見よう。

 でもこの先のドラマW(WOWOWオリジナルドラマ)でユースケが臓器移植コーディネーターの役をやるらしく、なんかそっちのほうが面白そうだった・・・。
 あ、『江』も一応録画してますが、まだ見れてません・・・とりあえず『龍馬伝』が先よね・・・って、それはいつだ!

ラベル:ドラマ
posted by かしこん at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月23日

クレアモントホテル/MRS PALFREY AT THE CLAREMONT

 ミセス・パルフリー(ジョーン・プロウライト)は長年の希望であったロンドンの長期滞在のため、パンフレットを見て予約したホテルを訪れる。 しかしそのホテルは彼女が思ったようなものではなく、古くてサービスも行き届かない。 が、亡き夫へのメッセージも込めて、彼女はそこでロンドン滞在をすることに。
 ある日、ホテルへの帰り道に転んでしまった彼女は、感じのいい若者に助けられる。そして、新たな友情が生まれる・・・というなんとも「いい人しか出てこない」映画である(原作者がエリザベス・テイラーとなっていたのでドッキリしたが、あの大女優とは同姓同名のようである)。

  クレアモントホテル3.jpg 出会ってすぐに、孫のふりをしてくれる。
 だが、その「いい人しか出てこない」感じが、すごく心地よいのだった。
 ロンドンでの長期滞在者事情がよくわからないのだが、クレアモントホテルの滞在者たちはほとんど自宅代わりに住んでいる感じ。 富裕層なのか、長期滞在宿泊料は安いのか、まるで簡単な老人ホームのような印象なのだ。 身の回りのことは自分でできるから介護を必要とはしていないけど、食事は出してもらえるし、ラウンジに行けば誰かがいる・プライバシーは確保できるが完全な孤独ではない、というような。
 なんかそれがすごく面白かった。
 ホテルの客の中の主のような女性の毅然としつつ皮肉に満ちたチャーミングさとか、今後あたし自身の老後の参考にしたい・・・と思う感じで。 いや、ミセス・パルフリーの慎み深い上品さもまた参考にしたい。
 老人、というとネガティブなイメージを引きずりがちだが、外国はそういうわけばかりではないんだなぁ、という。 ホテルの滞在客ばかりではなく、年老いたボーイや「ここは素晴らしいホテルです!」と堂々と言ってはばからない支配人とか、すっごくイギリスっぽい。 料理がおいしくなさそうなところとかも、小道具もいい感じ。

  クレアモントホテル2.jpg 楽しすぎる宿泊者たち。
 音信途絶えがちの実の娘や孫よりも、近くにいる親しくなった人のほうが関係が深まるっていうのは全世界共通かも。
 で、助けてくれたハンサム青年であるが、なんとルパート・フレンドである。
 名前出るまでわからなかった・・・また顔が違うよ(と思ったらなんとこの映画、2005年制作なのだった。 売れ始めるぐらいの時期か? つまり印象より若い)。
 作家志望で定職についていないために貧乏で、母親から失望されていることを密かに気に病んでいる。 しかし空気の読める礼儀正しい青年なのである。

  クレアモントホテル1.jpg イギリスの癒し系男子か?
 そんな二人が人生を語り、人生を学ぶ。
 ちょっとおせっかいかもしれないけど決して図々しくはない、守るべきラインはきっちり守る。 そういう“社会生活における人としての礼儀”がそこにはあるのです。
 「おとぎ話だよ、所詮」と言われたら、それまで。 だがおとぎ話で何が悪いのだ!
 おとぎ話にだって毒や闇はあるのだぞ、はっきりくっきり描かれないだけで。
 ジョーン・プロウライトさん、イギリスの大女優だそうで・・・まさに彼女ありき。 ジュディ・デンチでもヘレン・ミレンでもない、彼女だからこそ生まれた説得力と言うべきか。 ルパート・フレンドはさぞ刺激になったというか、役の青年以上に得るものの多かった仕事だったのではなかっただろうか(その後の彼の活躍を考えれば余計そう思えたり。 そういう仕事って、いいよねぇ)。
 “おとぎ話”とはいえ実際、めでたしめでたしで終わる映画ではないのだが、不思議と上映終了後の気持ちは穏やかである。
 とても満足な思いで、あたしは帰り道をたどる。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月22日

今頃、音楽のダウンロードを始めてみる

 ついに、MP3ダウンロードに挑戦!
 『刑事ヴァランダー・白夜の戦慄』のオープニングテーマのアルバムが見つからないので結局、AMAZONでダウンロードすることに(いや、AMAZONでもアルバム買えるんだけど2〜3週間待ちで、輸入盤なのにシャレにならないお値段。 ダウンロードならアルバム一枚分で¥1500−だったのです)。
 “ダウンロード販売の手引き”には「WALKMANでも聴けます」と書いてあるけど、あたしのWALKMANはOpenMGなんたら方式なのよね・・・大丈夫なのかしら。
 ともかく、アマゾンの指示通りにしたらPC内のWindows Media Playerには取り込まれ。それで聴けます。 ・・・しかし、ここからどうやってWALKMANに対応させろと?
 そのままデータを移動させたら音楽ファイルではなく何かのデータとして認識された・・・フォルダに入って別扱いだ!
 四苦八苦の揚句・・・WALKMANの管理ソフトであるSonicStageから“音楽の取り込み”というコマンドを探し出し(普段使ってる「取り込み」はCDから曲を取り込むやつだったので、種類が違っていたのだった)、取り込み先(ドライブC:のWMP)とファイル形式MP3を指定したらば・・・シャカシャカと動き出したよ!
 で、無事にSonicStageにとりこまれ・・・他の曲と同じように聴けるし、WALKMANに転送できるようになった(しかし多分、WMPにサンプルで入ってた音楽も一緒にとりこまれたな・・・知らない曲も入ってきた)。
 音楽データのファイル形式にはそれぞれ一長一短あるのはわかっているけれど、なんかいろいろめんどくさいなぁ、と思ってしまうのも事実。 レコード時代のほうが実は音はよかったのでは・・・という疑惑も頭をもたげる今日此頃であるが、あたしはそこまで音響マニアじゃないのでまぁそこそこ聴けたらいいんですけどね。
 著作権を守るのも大事だけど、独自のファイル形式にこだわり続けたSONYに対して、このめんどくささに(これでも今はかなり簡略化されたというのに)挫折してi-Podに流れたユーザーのことを責められないわ、と納得。
 ただあたしがめんどいだけでしたが。

  エミリー・ベイカー.jpg でもブックレットがないのはつまらない。
 で、肝心のエミリー・バーカーですが・・・思いのほかフォーキーでした。
 ドラマのオープニングで使われたのは別アレンジか?、と思うほど、ドラマのほうはすごくシャープな印象なのに・・・あれ?
 その第一印象がなければ、結構民族音楽調でなんかケルトっぽいところとか、いろいろ面白いのですが・・・なんかクールなイメージが出来上がっちゃってたよ〜。
 でも、あとあと聴けば味わい深い感じになりそう。
 やっぱりブックレットほしかったかも!
 音楽ダウンロードって、だから物足りないわ・・・なんだかまるで、近い将来にも楽曲が使い捨てられるように扱われるみたいな気がする(いや、もうすでにそうなのかも)。 音楽業界が、本気で心配になる。

ラベル:洋楽
posted by かしこん at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | Music! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

30分待つスフレ

 神戸市の中心街である三宮・元町界隈は“海側”と“山側”で仕切られている。
 あたしも最初神戸に来たときは意味がわからなかったのだが、JR沿線を境に南側を“海側”、北側を“山側”と呼んでいるのだとわかる(これを徹底しすぎている神戸人はどこでも北側のことを「山側」と言ってしまうそうで、事情を知らぬ人に大混乱を引き起こすらしい)。
 そんなわけで、あたしの主なテリトリーは“海側”です。
 で、例によっててくてく歩いていたら、こんな看板に気づいてしまう。

   トゥースチョコスフレ3.JPG TOOTHTOOTH元町本店にて。
 あの“おいしいミルクティー”のお店であります。
 「15時以降からの限定スペシャリテ」とある・・・つまり、ランチの時間は手間がかかるからできません、ということでしょう。 早速お知らせメールを飛ばすが、みなさんのいそがしいので時間を合わせるのが一苦労。
 こうなったら、まずは自分で試しておかなきゃダメだろ!
 たまたまシネリーブルでの上映が21時過ぎる映画があって、多少余裕があったので寄ってみました。
 メニューには「焼き上がりまでに30分ほどのお時間をいただきます」と書いてある。
 いやいや、それでこそスフレでしょ!、ってことでオーダーします。

  トゥースおいしいミルクティー.JPG その間に、おいしいミルクティーを飲んで待つ。
 やっぱりおいしいなぁ。 何かと一緒に持ってきてもらうとちょっとぬるくなっているときがあって残念なんだけど、これだけ先に、と言えば熱々が来る。 のちのちぬるくなってしまいますが、一口目の熱さがこの濃さのインパクトとともなって「おいしい!」という印象をもたらすのだから、紅茶の温度は大事です。
 ふふん、と本を開きつつ上機嫌でいると、20と数分で「お待たせしました」とスフレがやってきちゃった。 思ったより、早かったかも。

  トゥースチョコスフレ1.JPG こんなにも写真を撮るのに焦ったことはなかったかも・・・スフレは一秒を争う食べ物だと思っているので。
 では、いただきま〜す。
 さくっ、じゅわっ、とスプーンが入っていく感覚。 でも思ったよりしっかりしていて「見る間につぶれる恐怖」はなかった。 よかった。
 一口、「うわー、チョコが濃い〜」。
 勿論、温かい。 でも「あったかいチョコケーキにナイフ刺したらチョコソースがトローンと」というのともまったく違い、食感は確かにスフレで、でもどちらかと言えば「焼いたムース」に近いかな〜。
 とか思いつつ、スプーンの動き止まらず。 待ってる時間より食べる時間のほうが短そう(でも本来それは正しい食べ方だという気がする)。
 サイドに添えられているのはラズベリーソースとバニラアイスクリーム。 味を途中で変えて楽しんでくださいという趣向のようですが、あたしはこのままいけそうです。
 でもそれではあまりなので、ラズベリーソースをかける。

  トゥースチョコスフレ2.JPG 勢いよく注入。
 やはりチョコの味が濃いためか、ラズベリーソースも単体ではかなり酸味が強い感じになっているものの一緒に食べると・・・これがいい感じにマリアージュ。
 チョコにフルーティーな余韻が残ります。
 まぁ、バニラアイスはいい箸休めというか・・・でもこれも中に入れればカスタードクリームのようになり、またまたいい感じに。
 さすが「スペシャリテ」を名乗るだけあって、満足の一品です。
 今はショコラですが、季節によってスフレの種類も変えていくみたい。
 なんかここのお店、どんどんフランスのパティスリーに(品揃えというかメニュー展開の面で)近づいていくなぁ。 ちょっとうれしい。

posted by かしこん at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月20日

アンストッパブル/UNSTOPPABLE

 トニー・スコット&デンゼル・ワシントンで、また列車の話。
 しかし『サブウェイ123』の失敗(?)を踏まえたのか「実話からインスパイアされた、とにかく疾走する物語」に徹したのが成功の原因ですかね・・・よかったですね。
 しかし最初の予告で、「暴走する列車を止めようとする男たちの実話」と見て、『塩狩峠』?と思ったあたしは日本人です。

  アンストッパブル4.jpg このようなおそろしい展開が・・・
 舞台はペンシルバニア州、妻と離婚調停&親権争い中のウィル(クリス・パイン)は新たな職場である鉄道会社に出向く。 初めてコンビを組むベテラン機関士フランク(デンゼル・ワシントン)に会い、ボーヤ扱いされながら貨物車両を取りにいく。

  アンストッパブル1.jpg 職人気質男との初対面は気まずい。
 というわけでウィルの気はそぞろ、フランクはフランクで先日解雇通知を受け取ったばかりで娘たちにどう伝えるかも含めて動揺している。
 まずは鉄道マン達の間に流れるリストラの嵐におびえる空気、どことなく陰鬱なペンシルバニアの空の色など、まだ何も事件は起きていないのに緊迫感に満ちていてすでにハラハラさせられている。
 へー、ペンシルバニアってこんなに工場多いんだ〜、とか、貨物列車で運ぶ量が半端じゃないな〜(っていうかここの鉄道会社は貨物専門なのか?)、とのほほんと思ってる部分もあるのだが、とりあえず緊張感から目を背けたいが故です。
 で、肝心の出来事はわりとあっさり始まる。
 えっ、そんなことで? なんとかできそうな最初のきっかけを逃し、たたみかけるように事態は収拾不可能な道へ向かう負の連鎖。 暴走する列車が777号だというのが皮肉ですが・・・パニックアクション映画というよりはヒューマンエラーの積み重ねが悲惨な事態の呼び水になるという組織論のようにも見えて。
 しかし、いつしかストーリーはそんなことどうでもいい勢いで突っ走り、気持ちよいほどの理屈抜きアクションムービーへと早変わり。 個性豊かな登場人物が入れ替わり立ち替わり現れて解決策を模索する。 がんばる現場とダメな上層部、というわかりやすい図はここでも健在(酒グセわるそうな感じの人と運輸省の真面目だけど柔軟性のある役人さんがそれぞれよかった〜)。 序盤のダークな青い色調はどこへ行ったのか、というほど手に汗握る高揚感に包まれる(でもところどころ、それわざとクラッシュさせるためにそこに置いたでしょ、と思ってしまう部分ありで残念)。
 報道のヘリによるニュース映像が随所に差し込まれ、フランクやウィルの家族が事態を知る・多くの人々がリアルタイムで展開を見守るという構図はよくできてはいるのだが、実際にそんなとこヘリ飛んだら作業の邪魔だよなぁ・・・とかつい考えてしまうのだった。 こういうのでマスコミにいい気になられても困るからさ。

  アンストッパブル3.jpg 若手に任せるところは任せるが、いざとなれば自分が出るのがさすがベテラン。
 でも99分という無駄をそぎ落とすに十分な時間で仕上げたこともまた成功のカギかと。 とにかく勢いがね、すごいから。
 クリス・パインってスネキャラ顔なのかしら? でも『スタートレック』とはまた一回り成長した感じで、デンゼル・ワシントンとのコンビはすごくよかったと思う。 デンゼル・ワシントンも頑固おやじががっちりはまる歳になっちゃったのね・・・そこだけちょっとせつないかも。
 ご安心あれ、ラストはきちんと王道。
 スタイルの戻ったデンゼル・ワシントン、やっぱりこっちの方がかっこいいと思うわ(無理しておっさん体型にならなくてもいいですよ)。

  アンストッパブル2.jpg 「黄色のベストは脱いでいけ(頼りない新人に任せてるみたいで不安になる)」と言われたときのウィルの表情、非常によかった。 それを受けるフランクもね。 男の友情・同志の魂!
 単純に、「面白かった!」と言える作品じゃないでしょうか。
 『サブウェイ123 激突』のことは忘れてあげましょう。
 この作品のヒットでまた製作費多く使えるようになればいいね、トニー・スコット!

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 02:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月19日

思いがけず再ブーム到来!

 先日、えむさんからのメールに「何をおっしゃるウサギさん」という部分があり・・・それってなんだっけ???、なんかの歌だよなと記憶の網をたぐり寄せれば・・・“クックロビン音頭”?
 パタリロだ〜!!!
 だが、えむさんはパタリロよりも『妖怪始末人トラウマ』がお気に入り。
 ビンさんがいい!、とかいう話で(携帯メールで)盛り上がる。
 もともと、『妖怪始末人トラウマ』の本は地元の友人から譲り受けたもので(今はあるのかどうかわからないジェッツコミック全6巻です)、どこに引っ越すにもあたしは必ずそれを持っていき続けた。 そしてこの面白さがわかりそうな人に貸し続けた。 えむさんもそんな被害者(?)の一人であった。
 続編の方はそうでもないが、改めて見ると最初の6冊はかなり紙が黄ばんでいる。
 常に読める位置にあったりするので古本特有のにおいやざらざらの手触りがするわけではないのだが、さすがに今後これを誰かに貸すのはためらわれるかもしれない、と感じる。 そういや文庫になってたっけ・・・買い直すか〜。
 で、神戸中心街でいちばんマンガを置いている気がする店に出向き・・・無事、『妖怪始末人トラウマ』文庫版全4巻を手に入れる。

  トラウマ!山積み.JPG 表紙の構成が『パタリロ!』と一緒とかは言わないであげてください。
 しかし、続編である『妖怪始末人トラ・貧』の2巻だけがないではないか!
 なんかくやしいので、『トラ・貧』の1巻も買うことにして、他の店も当たるが・・・ない!
 アマゾンかセブンアンドワイに頼むしかないのか・・・と思ったら、えむさんから「アマゾンで全部注文しちゃった!」メールが。
 全く同じタイミングの行動の二人。
 えむさんに貸したのは何年も前だが・・・忘れられないくらい面白かったということね。 つまりそういう中毒性が、このマンガにはあるということです。
 『パタリロ!』とはちょっと違い(本編にゲスト出演したことはありますが)、由緒正しき妖怪話と落語がうまくミックスしたギャグ&人情ストーリーであります(ある意味、古典をパスティーシュした落語といえるかもしれない)。
 トラウマと貧乏神の掛け合い漫才でもあるけど・・・。
 文庫になったからといっていつでも手に入るわけではない!
 アマゾンも残部僅少! 興味のある方は急げ!

 そして・・・どうも比較的近所の郵便局に強盗が入ったみたいなんですよね・・・職場の技術者の方がちょうど近くの現場で作業していて、「パトカーぐるぐる回ってましたわ〜」と教えてくれる(一応、急いで走り去る不審な車を目撃したことを警察に報告したらしい)。 そこ、わりと小さい郵便局なのにな〜(だから警備が手薄だと思うのか)、あたし、前に行ったことあるわ〜。
 しかも未遂だったようで。 拳銃らしきものをちらつかせて「金を出せ」と言う犯人に局員さんが「ありません」と拒否した(もしくは素直に言った)ら、そのまま逃走したらしい・・・何がしたかったのか?
 というか、今郵便局を襲っても確かにお金はないだろうに(いや、2・300万円はあるかもしれないけど、それと犯罪者になるリスクが引き合うか?、という話)。
 まぁ、でも一万円そこそこで人殺しちゃったりするのもいますからね、なんとも。
 「拳銃らしきもの」だったらいいけど、リアル拳銃を持ってる人がもしかしたら近くをうろついているかも・・・と想像するのはいやだなぁ。
 銃社会には反対だ! 妖怪と共存できる世の中のほうが平和・・・か?

ラベル:マンガ
posted by かしこん at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月18日

ハリー・ポッターと死の秘宝Part1/HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS:PART I

 なんかタイトルが表題に入りきらないようなので、
 “HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS:PART I” です。
 いつもの映画館がデジタル上映だったので・・・という理由で結局行ってみる。
 期待はしていなかった。 どうせ話は途中で終わるわけだし、前作のことを考えればかなり省略されるんだろうな、ということは想像ついたから。
 しかしいつも不思議に思うのだが、何故前作はみな魔法の世界にいたのに、毎回新作では人間世界に里帰りしているのか? 毎回学期休みなのか?(原作でもそこらへんがよくわからず、途中で挫折したのだが・・・)
 冒頭から、おどろおどろしい雰囲気全開。 黄昏的映像美の入り込む隙間もなしで、なんかかなしい・・・そして否応なく終幕に向かっていることを思い知らされる。

  ハリポタ71−3.jpg みんな一緒に、逃げますから!
 なのに・・・ヘドウィグ、マッドアイ、etc.・・・。
 「○○は死んだ」とか「△△は処分された」とか台詞で終わっちゃう登場人物たちの死・・・それは悲しすぎると思う。
 それにしてもハリーの当事者意識の薄さは相変わらずというか・・・そりゃ自分のせいでまわりの人間が大変な目に遭っているというのはプレッシャーだろうが、覚悟を決めた仲間たちが残っているのだし、キミに勝手に動かれては余計にまわりに迷惑だってこと早くわかってほしいよ・・・。

  ハリポタ71−1.jpg でも大人になったよねぇ、みんな。
 なのに話は途中から痴話ゲンカかよ。 まぁそういうお年頃ですから、そういう試練は仕方ないのかもしれない。 でも「誤解ときたかったらもっと素直に会話しろよ!」と思ってしまうあたしは合理主義を優先する大人になってしまったなぁ、と寂しくなった(というか、肥大する自我を持て余す若き姿が己に重なって恥ずかしさといらだちが抑えられない心の狭い人間ということです)。 だから、ロンにきちんと説明せずにハリーのほうについてしまったハーマーオニーは誰よりも覚悟を決めている分だけ肝が据わっているんだけど、ロンにはかわいそうな仕打ちだろ・・・と思ってしまいました(それはつまりロンには甘えているということでもあるんだけど、同世代の男子は普通そこまで気づいてくれません)。

  ハリポタ71−2.jpg いつからハーマイオニーこんなお洒落に?
 なんか、今回の主役はハーマイオニーですか?
 話もヴォルデモードの分霊箱を探す流れだったはずなのにそれを壊す剣を探す旅になっていたり(いや、どっちも必要なのはわかるんだけど、箱はまだ全部見つかってないだろう!)、期待のスネイプ先生の出番が超短かったり、というかアップになったときのハリーの顔がもう丸メガネつけるのに限界になってきているのにつらくなる(大人になってる、ということですが、ハリーに無精ヒゲはえさせるのはやめましょう)。 ダニエル・ラドクリフ君には今後いい役者になっていただきたいですが、ストーリーの進行を役者たちの成長が追い越してしまった、という感が。 次で終わりでよかったですね、ほんと。
 そしてどんどん普通に出てくるヴォルデモード、普通に喋るヴォルデモード、なんかもう彼の怖さがわかりません。 コスチューム物になるとヘレナ・ボナム・カーターって顔がうるさいよなぁ、ということが気になる。

  ハリポタ71−4.jpg お久し振りすぎる登場、ドビー。
 そしてドビーがすべてをかっさらい、終わってしまった前編。 ちゃんと次で全部まとまるのか?、と思わず不安になってしまうほど投げっぱなし&説明不足が目につきますが原作読んでないからそう見えるのか・・・。
 それにしても、イギリス演劇界の重鎮がここまで総出演する映画、他にあるだろうか・・・それだけでも、ハリポタシリーズの存在価値はあるのかもしれない。

 遅ればせながら、神戸でも『キック・アス』の公開が決定!
 予告を見ると明らかに『キック・アス』のほうが面白そうなのに、なんか似た感じの『グリーン・ホーネット』のほうが上映館が多い・むしろ3Dで拡大公開気味なのはなんでなんだろう? それが商売なんでしょうけど・・・納得いきません。

ラベル:映画館 外国映画
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2011年01月17日

1.17

 今日の神戸は朝が早い。
 ニュースで取り上げられる東遊園地以外でも、比較的被害の大きかった地区は近所の公園で“追悼の集い”をおこなう。
 事前に「2リットルペットボトルの下半分を提供してください」のチラシがまわる。 その中にロウソクをセットするためである(風除けと、セットしたあとの持ち運びが楽なのと、仮に倒れても他に燃え広がらないためもあるかも)。
 あたしは震災後に神戸に引っ越してきたので、話を聞いたり当時の写真を見たりの伝聞でしか知らないのであの地震について語ることはできない。
 「絶対に風化させない」というのが被災者の総意であるならばそれを支持したいと思う。
 ただ、16年前のこの日あたしは北東北にいて、実際に地震のことを知ったのはその日の夕方で(バイト仲間に徳島出身者がいて、やっと親と連絡がついたという話を聞いたからだ)、リアルタイムで知りえなかったことを後ろめたく思っていた。
 学生仲間が「神戸にボランティア行ってくるね」と出発したときも、「ボランティアってただ行くだけじゃ足手まといだよ、自分の世話は自分でできるような準備をしていくのか?」(食事や寝るところも自分で確保しないと被災者の方々に迷惑がかかる)と軽い言い争い?をしたこともあった。
 ボランティアに行った彼女はその後、養護学校の教員になり、あたしはこうして神戸に住んでいる。 なんだか、不思議だ。
 なので失礼だとわかっているが、この日を「忘れない日」として日本中に定着させたのは(被害が未曽有ということも勿論だが)神戸という街のブランド力あってこそ、だとも思う。 新潟での大地震の日を、誰もがすんなり思い出せるだろうか。 山古志村がどうなったのかわかっている人はどれだけいるだろう? 田舎の山間部が被害の中心だったから人的被害は少なかったが(人口が少ないからね)、地震のスケールやライフラインや建物などへの被害はものすごいものだったのに。
 だからこそ、「神戸だけ被害者づらするな」みたいな心ないことを言う人もいる。
 だが基本的に忘れっぽい日本人であるあたしたちはこれをきっかけにしていろいろなことを覚えていかなければならないのだ、と思った方がいいのではないだろうか。
 集会は、早朝である。 黙祷は5:46。
 だがそのことに誰も文句などは言わない。 それが被災者や関係者の矜持であるかのように。 だからあたしは不思議なのである。 ある意味、行政の不手際でここまで被害が大きくなったのに(その後の仮設住宅問題でもコミュニティが崩壊し孤独死は続いているというのに)、なんで神戸市も兵庫県も選挙の投票率が低いのであろうか。 お上など信じない、自分たちで何とかする、の気持ちが政治的無関心を引き起こしているのならそれはそれで問題なのだが(しかし自衛隊の好感度は高いようである)。
 やっぱり、あたしにはまだわからないことが多い。
 会社行くとき、誰かわからないが歩道に撒かれた水が凍っていて、あたしはまるで氷河を渡るような気分で歩かなければならなかった(普通の靴だったので)。
 こんなに冷え込んだの、こっちに来てから初めてかもしれない。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする