2010年12月06日

裁判長! ここは懲役4年でどうすか

 ドラマ『流星の絆』で役者・バナナマン設楽さんいいなぁ、と思ったので、彼の初主演だそうなこの映画、見てみる。 原作は結構前に出たやつだし、以前にドラマにもなってるし、裁判員制度開始と絡めてどう変わってるんだろうってのも興味ありで。
 しかし・・・なんかそういうのを期待すると肩すかし。

  裁判長!ポスター.JPG 傍聴、無料。 立ち見、不可。

 三流ライター・タモツはあやしげな映画プロデューサー(鈴木砂羽)から「愛と感動の裁判劇!」の脚本を依頼され、資料集めのためにまずは裁判所を傍聴してみることに。 が、そこは初めてだらけの世界。 要領を得ないまま通ううちに傍聴マニアの方々とも知り合い、彼らの指南のもと“裁判の傍聴”の世界に足を踏み入れる。
 これ、裁判員制度に絡める必要、あり?
 コメディです、普通にコメディです。 札止め(満席のためこれ以上の傍聴は不可)が出ると「シネコンかよ」とぼそっとツッコむ設楽さんなど、バナナマン的空気あり!

  裁判長!1.jpg 螢雪次朗さん、はまり役。

 でもそれだけ、残念ながらそれだけなんです。 被害者側の悲劇を一切封印というか描かないのだから、もっと笑いにはじけてもよかったんじゃないのかなぁ。
 じゃあ裁判所ハウツー的なトリビア満載なのかと言われれば、それもちょっと(傍聴マニアの先駆け、大川興業の方も出てらっしゃいましたが)。
 ただそこにあるのは、「法廷に立たされる側と傍聴する側、その境はほんのわずかなもの」ということだけ。
 でもそれでも、十分なのかも。 声高に正義を叫ぶ恐ろしさがそこに存在することに気づくから。
 裁判員裁判が始まってから、閉廷後インタビューの応じる裁判員の方々がみな言いますよね、「大変苦しかった」とか「すごく悩んだ、一生忘れない」とか。 あれがあたし不思議で。 「いえ、死刑を選択しても全然後悔とかありません。 特に悩みませんでした。 明日にはもう忘れてると思います」とか言う人いないのか・・・と(まぁこの回答は極端な例ですが)。
 でも、ここに出てくる傍聴マニアの方々は自分が裁判人になったらそういう感想を言いそう。 ただし、その判断は自分自身のものなのか長年の傍聴歴からはぐくまれた判例から生まれた自分の基準からきているものなのか判断するのは難しそうだが・・・。
 傍聴マニアたちが自らを「ウォッチメン」とひそかに名付けてること(アメコミのウォッチマンの意味を思うと爆笑)、出番少ないのに全部持って行った堀部くん(役者に転向してほんとによかったと思います)、ツッコミどころ満載の役柄を普通にやってしまっている鈴木砂羽など、いいところはありました。
 だからこそ、これは映画ではなくテレビの二時間ドラマでやったほうがよかったのでは。 そのほうが、「裁判というものを国民に知らしめる」という目的に沿っているのではないかと。
 結局は、他人事。 この気持ちが裁判員が持つべき心構えなのでは。
 あ、ちょっと勉強になったかも。

  裁判長!3.jpg あ、ちゃんと日村さんも出てましたよ。

 真面目にやろうと思えばいくらでも真面目にやれた題材を、あえてちょっと気の抜けた笑いの方向に持って行った意味はあるんでしょうが、それを時代が求めているかというのはまた別問題だな〜、と。
 時事ネタものはタイミングが難しい。

ラベル:映画館 日本映画
posted by かしこん at 02:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする