あぁ、この映画のフッテージを初めて見たのは“Hollywood Express”だった・・・コロナ前。 日本公開はうれしいが、チャドウィック・ボーズマンがもういないなんて・・・あたしの中では彼はブラックパンサーの人ではなくてジェームズ・ブラウンの人なの。
アメリカ・ニューヨーク。 父親である警察官が殉死、葬儀に参列した子供のアンドレは、葬儀に駆け付けた市警の人たちの数と、市警流の葬儀の仕方を目の当たりにする。 19年後、少年はアンドレ・デイビス刑事(チャドウィック・ボーズマン)となり、被疑者にためらわず発砲し監査委員会の常連になり、現場の警官からは裏で「死刑執行人」と呼ばれていたりする。
そんなとき、夜中のマンハッタン島で麻薬の盗難事件があり、応援に駆け付けた警官8名が銃撃される。 警官が襲われた事件は警察一丸となって解決するのが不文律、アンドレ・デイビスはマッケナ署長(J・K・シモンズ)らのすすめで麻薬課の腕利きフランキー・バーンズ(シエナ・ミラー)と急遽コンビを組んで捜査を開始。
一方、実行犯であるマイケル(ステファン・ジェームズ)とレイ(テイラー・キッチュ)は、クスリは30キロと聞いていたのに現場には300キロあり、「話が違う」と愕然。 何かにはめられたのかもしれないと疑念を抱きつつ、逃走する・・・。
<『ダーティハリー』+マイクル・コナリー>とも言える王道展開、新たなキャストでつくるってことは、このジャンルはある程度需要があるというか、基本のフォーマットが存在しているということ。 このジャンル、確立されてる!
マイケルは『ビールストリートの恋人たち』の彼氏の人、テイラー・キッチュは『バトルシップ』は主役だけどその後脇に回ることが多くなっている人、と見覚えあるキャスティングなんだけど、シエナ・ミラー含めて(それを言うならチャドウィック・ボーズマンも)みんなちょっと佇まいが地味系。 メイクダウンというかスター性抑えて「そこらへんにいそうな人」の役作り。 他の警察官の人なども、あたしがよくわかっていないだけで脇役実力派で固めているのではないだろうか(なんか見覚えがあるような気がするんだけど、どこで見た人なのかわからない)。 アメリカン・バイプレイヤーズか・・・ここがちゃんとわかってたら、もっと楽しめたんだろうなぁ。
ニューヨークだからだろうか、人種の偏りがあまりないような・・・黒人・女性・白人・その他も、とバランスよく感じるのは、プロデューサーも務めたチャドウィック・ボーズマンの意向? シエナ・ミラーのギャラの少なさを自分のギャラから取って埋め合わせたというし、俳優だけでなく映画制作にもノブレス・オブリージュを発揮しようとしてくれたのだろうか。
今のかなりダメージ受けたよ!、な場面でもガンガン走るし、地下鉄まで逃げるマイケルを追いかけたアンドレ、ホームにいるマイケルとどうするのか・・・の対峙場面がこの映画の白眉! でもかなり走ったのに息の乱れは最小限。 あたしだったらぜーぜーいってへたり込んで、会話すらままならない(いや、ここまで追いかけられないかも)。 全然弾切れしないとか、80年代の大味アクション映画をリスペクトしてますね(『リーサル・ウェポン』とか)。 誰が黒幕か、なども大変わかりやすくなっておりますが、偽造パスポートづくりのプロなどおいしいキャラも多かった。 そもそもアンドレ・デイビス刑事の抱えているものがまだまだ大きくて、これシリーズ化にできるキャラなんですけど! 原作小説はないんですかね、ヒットしそう。
マンハッタンにかかる21の橋を封鎖せよ!、というNY市警の機動力にはまいりました。 日本では多分同じことができない・・・アメリカの底力、感じましたよ。 だからこそ邦題は『21ブリッジズ』複数形ではダメだったのか。
というか、このタイトル、なんて読むの? 21をトゥウェンティ・ワンと読ませるのなら、そのままBRIDGES:ブリッジズじゃないのかな?